両親のお墓問題が落ち着いたら心が軽くなりました!
昨今取り沙汰されているお墓問題。
どうしたらいいのかわからず先延ばしにしている方も多いと思います。
うちもかつてはそうでした。
幸いなことに私の両親はまだ健在。逆にそこが先延ばしの原因とも言える点だと思うのです。
両親が元気なうちにお墓を探してあげることって、実は凄~く大事なことなんじゃないかな?そう気づき、一念発起してお墓探しが始まりました。
約1年半かけてようやく契約まで辿り着いた今、家族全員の共通の心配事のおよそ半分は解消したといってもいいくらい、心が軽くなった感覚です。
お墓事情は十人十色だと思いますが、お墓購入までの実録体験談を交え、どのように進めていくのが良いのか考えてみましょう。
うちのお墓事情の洗い出し。見直すべき点が見つかりました。
私は50代で三姉妹の長女、既婚、子供なし。2人の妹も既婚、子供なしです。
三女が結婚して以来両親は二人暮らし。父は80代、母は70代、立派な高齢者です。
まだまだ元気だと思っていたけど、いつ死んだっておかしくない年頃です。
このまま両親に何かあったら、子供たちがお墓を建てるの?費用は?
母方の先祖が眠るお墓(一般型の墓地)の隣の敷地に、両親は将来お墓を建てるつもりでお寺と契約をしていました。
その何も建っていないお墓の小さなスペースに、もう何十年も管理料を払い続けていた事実を、最近知ったのです。
その額年間24,000円!!…軽い衝撃を受けました。
敷地にお墓を新しく建てるには何百万円というお金がかかります。
仮にその敷地に両親がお墓を建て、入ったとします。その後の管理はどうするのでしょう?
私たちの代がお墓参りをし、管理料を収めることは、負担にはなりますが不可能ではありません。
ですが子供のいない私達世代が高齢になった頃には、今と同じ管理を続けるのは到底無理なこと。
ゆくゆく両親のお墓は無縁仏となってしまいます。それだけは絶対に避けたい思いがありました。
- 所有していた墓地の管理料問題
- 墓石の建立費用問題
- 建てた後の管理問題
いろいろ考えるうちに浮き彫りになった両親のお墓事情。
お墓の選び方を調べる以前に、まずこれらの問題点を整理し、両親に率直に話してみることから始めました。
両親が元気なうちにお墓を決めてもらいたかったもう一つの理由
お墓の問題って話しづらいですよね?特に両親が元気なうちは。
どうやって切り出そうかな~…しばらく悩んでいました。
そんな時、父の体調に異変が起きたのです。
「頭が痛い!頭がなんだかヘンだ!」突然そう口にするようになり、記憶が曖昧になったり、トイレを汚してしまったりと…。
母から連絡をもらい、すごく緊迫しました。妹達と協力し、病院を探したり付き添ったりした結果、認知症の本当に初期の初期ということで、定期的な通院とお薬で症状は治まりました。幸い今も進行することは無く、無事過ごしてくれていますが、もしあのまま父が認知症になってしまっていたら…と思うと、今がお墓について考えるタイムリミットかもしれないなと思いました。
そして正直な話、これらの両親のお墓事情って、そのまま自分自身のお墓事情に通じるものがあると思ったのです。
仮に今日私が死んだとします。お墓はありません。私とダンナさんが入るお墓をダンナさん一人で、明日から探すというのでしょうか?
それではあまりにも私自身に悔いが残ります。終の棲家は自分の好みで選びたいじゃないですか!!
「お墓は残された人のためのもの」という人もいます。
確かにそうですが、そんなことより自分のお墓は自分で好きなように選びたい。
私はそういう思いが強かったのです。この思いは両親もきっとに同じだと思いました。
「そろそろお墓のこと考えようよ。お父さんもお母さんも自分の頭でシッカリ考えて、ちゃんと準備しておいた方がこの先安心じゃない?自分で選んだ好きなお墓に、ここに入るんだな~って、生きてるうちに実感しておきたくない?」そう伝えました。
すると「本当にそうよね。どうしたらいいか一緒に考えてくれる?」と、悲観的になることもなく受け止めてくれたので、ホッとしました。
選び方を調べる前に、今持っている墓地の場所をお寺へ返す。
両親の気持ちを確認できたことで、私は動き出しました。
将来的な管理の面から、一般型のお墓を建てる選択肢はとりあえず消えたので、まず所有している墓地があるお寺へ、使用権を返すことから始まりました。
両親にしてみれば今まで収め続けてきた管理料が水の泡と化してしまうのだから、それはそれでショックを受けているようでした。
母は長年、自分の親兄弟が眠るお墓の隣の場所に入るつもりでいたので、そこをやめることには当然寂しさもあったようです。
そういった気持ちは痛いほどわかります。でもこれまでのことを悔やんだり、一時の寂しさで踏みとどまっているよりは、これから先のことを一番に考えようよ、となだめ決心してもらいました。
一日でも早いに越したことはないってことで、早速両親と私達夫婦でお寺に話をしに行くことになりました。
事前にお墓問題の本などに目を通していたところ、改葬(お墓をやめたり引っ越したりすること)の話でお寺と揉めたりするケースが多々あるらしく、私達は何があっても使用権を返すぞ!と意気込み、それに関する費用を請求される覚悟も決めていました。
いざお寺に行って事情を説明すると、「あぁそうですか、では離檀届に署名捺印をしてください。」と。
玄関先で待っていると、なんと手書きの「離檀届」を差し出されました。
引き止められるわけでもなく、名残惜しまれるわけでもなく、父の署名捺印のみでアッサリと使用権を返すことができました。
檀家になっていたわけでもないので離檀届というものおかしいのですが、便宜上のものなのでしょう。こんなに思い悩んで覚悟して挑んだのが肩透かしのように済んでしまい、ホッとしました。
ただ、収めていた年間管理料は、月割りで返してはもらえませんでした。まぁ高額な解約料など請求されることもなく、それぐらいで済んでよかったです。
ちなみに、既にお墓が建ててあって、今後の管理を考えて改葬という形を取る場合は、様々な手続きが必要となり、それに伴い費用も掛かります。
うちのお墓の選び方は…親の希望を汲み取る。次に資料集め。
白紙に戻ったところで、いよいよお墓選びのスタート。
お墓と一言で言ってもお寺に属するいわゆる一般的なお墓、霊園、樹木葬、納骨堂…などいろいろあります。
また、お墓を持たないという選択肢もあります。遺骨をダイヤモンドなどのメモリアルジュエリーという形にして常に身に着ける方法や、海に散骨して何も残さないなどということも可能です。
そういったいろいろな可能性を含め、両親にどうしたいのか聞いてみました。
すると「散骨は怖い!海に撒かれるなんて絶対にイヤ。樹木葬も何となく気が引ける。お墓自体は持ちたいけど、室内のキレイな場所で、お値段もできればそんなに高くない場所だったらすごくありがたいわね。」と、当初希望はそれだけでした。
というよりそれまでお墓については、契約してある墓地に墓石を立てる…ぐらいに漠然としか考えていなかったので、両親も私も知識や情報に乏しかったのです。
希望を取り入れようとすると、屋外のお墓や樹木葬はナシ、霊園はそもそも高いからムリ。
残ったのは室内で永代供養(えいたいくよう)をしてくれる納骨堂。それをネットで探し、20件ほど資料請求しました。
こちらが私が利用した資料請求サイトです。一度にまとめて複数の資料請求ができるので、便利だなぁと思いました。お墓の選び方の参考にもなるので、一度見てみるといいと思います。⇒ お墓のポータルサイト「いいお墓」
届いた資料はお寺が独自に作成したものと、お墓の管理を依頼されている業者(主に墓石やさん)が作成したものの2パターンありました。
形式は各々バラバラでイマイチわかり辛く、そのまま両親に渡したところできっと読んでくれないだろう。ある程度こちらで取捨選択し、絞り込んであげる必要がありました。
次に考えたのが場所の問題。どこにお墓を持ちたいのか?ということ。
両親の住む実家の近く? それとも我が家の近く?
これって両親のどちらかが逝った後のことや、介護が必要になった時にどうするのか?という問題と絡んできます。
ちなみに両親は都内在住です。父はリタイヤしていますが、母は働いていて友達も多く、趣味の日本舞踊やコーラスで飛び回る毎日。父が逝ったとしても、自分が元気なうちは今住んでいる場所から離れたくないと言います。(もし母が先に逝ったら父はうちで暮らしてもらうことになりそう。)
うちは埼玉、妹達は神奈川と東京23区外に住んでいて、どの家も実家まで車で1時間はかからないくらいだと思いますが、距離的に一番近いのが我が家なんです。
ということで、お墓の場所は実家の近くとうちの近く、そして電車で4家族が集まりやすい路線の場所に絞りました。
あと、両親以外はみんな車を使うので、車でも行きやすい場所、そして駐車場が完備されている場所を探しました。
資料から絞り込み。そして実際の場所に足を運び、目で見る。肌で感じる。
うちの近くには永代供養墓(えいたいくようぼ)はあるにはあるのですが、ほとんど屋外のタイプでした。
何箇所か私とダンナさんで見学しました。実際見てみると、パンフレットだけではわからなかったタイプの違いがありました。
永代供養墓は一般的に遺骨を何年間か個別に供養し、その後、合祀(ごうし)といって他の遺骨と同じスペースに集められ永遠に供養してくれるお墓です。
その中でもロッカーのように並んだ箱の中にスペースを持てるタイプの納骨堂や、家毎に収められた骨壺が機械で目の前に運ばれて来るタイプの納骨堂があります。
屋外の永代供養墓では遺骨を家毎ではなく、故人故人で収めるタイプもあります。
生前契約した後、実際入るまでの間管理費が発生する所と発生しない所があります。
供養の形式や年数にもいろいろあり、合祀へ移すタイミングを夫婦で揃えてくれる所や、あくまでも故人故人のタイミングで移す所があります。
管理費が引き落ちなくなってから何年後かに合祀されるという所もあります。
合祀されてもそれまでの銘板プレートを残してくれる所や、撤去されてしまう所があったりとその仕様は実に様々です。
宗派不問であるとか、檀家になる必要の有無という基本的なことはもちろん確認しておかなくてはなりません。
意外と見落としがちなのは、合祀の場所。郷士のタイミングで大抵はその施設内の別のスペースに移されますが、施設によっては遠く別の県の場所に移すという所もあります。
そのことを知らずに契約して後々トラブルになったというケースもあるそうです。
選び方のポイントとして絶対にやっていただきたいのは、とにかく足を運んで実際の場所を目で見るということです。
施設内で感じる空気感というのはパンフレットだけでは絶対にわかりません。
掃除が行き届いていなかったりすればそのうち管理体制に不満を抱くようになるでしょう。
住職や対応してくださるスタッフの感じの良さは、契約した後ずっと付いてくるものですからきちんと見極めることです。
お墓選びなんて、大抵の人は一生に一度の経験でしょう。慣れている人なんてまずいません。
だから少しでも疑問に思ったことがあれば、決める前に何でも質問してみましょう。
私は車で見学に行き、気になった納骨堂には駐車場に車を泊めさせてもらい、最寄り駅まで歩いて往復するということをしました。
お墓参りをすることを考えれば、駅から納骨堂までの所要時間はもちろん、その街や場所柄の雰囲気も大事な要素になってくるでしょう。
自分だけでなく、年老いた両親が歩く際にも問題が無いか。坂道や階段が無いかなどもチェックポイントになると思います。
実際歩いたことで、その近辺に納骨堂建設反対の幟が立っているのを発見したこともあります。
そのように地域住民に反対されている納骨堂に両親を託すことは、私は正直気が進みませんでした。
まずは自分たちが気になった納骨堂をいろいろと見て回り、ここなら薦められるという何箇所かに両親を連れて行きました。
かなり厳選した所を訪れたので、両親は結構迷っていたみたいです。
- 永代供養墓であること
- 室内で管理されていること
- 清潔で雰囲気が良いこと
- 4家族が集まりやすい場所(沿線)
- 駐車場完備であること
- 契約料や管理料がリーズナブルであること
がんばって探し歩いた結果、これらの全ての条件をクリアし、両親も私も、妹達家族も
納得のいく納骨堂がついに見つかったのです!!
場所は都内駅近で駐車場完備。(都心の納骨堂で駐車場があるところは希少です!)
各家が電車でも出掛けやす場所で、実家からは電車1本30分掛からずに行かれます。
近隣の街並みや雰囲気もとてもいい感じ。
とってもモダンで清潔感溢れる館内に、親切丁寧なスタッフさんたち。
好きなようにデザインした銘板プレート(一般墓でいう墓石)を設置してもらい、
令和元年5月!お墓が完成しました!!
一念発起から約1年半、お気に入りの納骨堂を契約した両親はとても安堵しているようです。
お墓のお披露目会と題し、4家族集まって納骨堂を訪れた時には、妹家族も「お姉ちゃんよくこんな所見つけたね!便利だし本当にステキ!」と褒めてくれました。
その後も納涼会や新年会と言っては、お食事がてらみんなでまだ誰も入っていないお墓を見に行っています。
こうして今のうちからお墓に親しんでおけば、両親もこれから少しは安心して余生を過ごせるのではないかと思っています。
お墓問題は早めに取り組み、早めに解消。でも決して焦らずに!
こうしてうちのお墓問題は落ち着いたわけですが、終活はお墓問題だけではありません。
ですが、「人生の終点」ともいえる一番大きなお墓問題をクリアした後、残りの終活は楽しみながら、ボチボチと日々こなしていく両親を見ているのは家族としてもイイもんです。
母は友達に「素敵なお墓が決まったのよ~♪」と自慢しているようなので、本当に満足しているんだな、と思います。
切り出しにくいからとズルズル先延ばしにしても良いことはありません。
私は両親のためにも自分のためにも、あの時一念発起して本当によかったと思っています。
お墓の選び方というのは各家々で違うと思いますが、まずは入る人にどうしたいのか気持ちを聞いてみることが先決だと思います。
次に状況に応じて様々な条件を挙げて、情報収集をします。そして納得いくまで見学をする。
もしご両親のどちらかや、どちらも亡くなってしまっている場合は、それこそ焦らずに時間を掛けて探してあげたら良いと思います。もしかしたら遺言に希望を書き綴っているかもしれません。
四十九日法要や回忌法要までにお寺からお墓の準備を勧められる場合もあるようですが、個人的にそれはオススメしません。理由はこちらの記事で→急遽お墓を決めたため、少し悔いの残った体験談
早めに取り組み、考えるための時間をジックリ掛ける
これがお墓選びを経験した私が、お墓問題を抱えている人に一番お伝えしたいことです。
一生に一度の大切な買い物ですから、後悔の無いようしっかりと選びましょう。
お墓探しの最中、時折親がすごく悩んで決め兼ねているといったシーンに何度も出くわしました。
実の親だからこそ「もぉ~早く決めてよ!!」と、言ってしまいたくなるものですが、
そこはグッと堪えて、優しく接してあげることを決して忘れないでくださいね^^
この体験談はあくまでも1ケースに過ぎませんが、少しでも読まれた方の参考になることがあれば嬉しいです。
お墓の選び方にお悩みの方へ
まずは資料請求をしてみてください。
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