造花の種類、ご存知ですか?
造花と一言でいっても、いくつか種類があります。
- アーティフィシャルフラワー
- プリザーブドフラワー
- ハーバリウム
- ソープフラワー
今主流になりつつある造花の特徴と、メリット・デメリットをご紹介します。
仏花として用いる際の参考にされてください。
1.アーティフィシャルフラワー
プラスチックや布などで作られた、いわゆる造花というものは昔から存在します。
最近ではポリエステルやポリエチレンといった素材を使い技術の進歩と相まって、本物と見紛うほど精巧に作られた造花があり、それをアーティフィシャルフラワーといいます。
生花にはない、あるいは生花を超えた美しさまで表現することが可能なアーティフィシャルフラワーは、日々進化しクオリティも向上しています。
生花では作り出すことのできない芸術性と優れた耐久性が、世界中で評価され、価値が認められています。
寿命は破損や褪色に配慮すれば、半永久的といえるでしょう。
アーティフィシャルフラワーとプリザーブドフラワーのミックス使いでアレンジしてあるものも多数あります。
アーティフィシャルフラワーのメリット
- 枯れない
- 水換えが不要のため、メンテナンスに費やす手間や時間が省ける
- 花粉が無いため、アレルギーや仏壇を汚す心配が無い
- お花の種類が多種多様で、アレンジの幅が広がる
- 人工的な素材なので耐久性がかなり高く経済的
アーティフィシャルフラワーのデメリット
- 枯れることがないため、仏教そもそもの教えを仏花から学ぶことが出来ない
- 香りがしない
- 手間が掛からない分、一度お供えしたら放置してしまいがち
2.プリザーブドフラワー
生のお花の水分と色素を一旦抜いた後、着けたい色を茎から吸わせ、乾燥させたものがプリザーブドフラワー(以下プリザ)です。
特殊な染料を用いて着色するので、自然界には無い斬新な色の花を作り出すことも可能です。
手触りは生花のようにしなやかで、しっとりと瑞々しい質感も本物同様です。
プリザのアレンジメントは、見た目は生花のアレンジメントと何ら変わりありません。
プリザの寿命は概ね1年から2年。環境が良ければ3年から4年は持つといわれています。
直射日光や紫外線に当てていると早く色が褪せてしまうので、長持ちさせたければそういった状況は避けましょう。
水にも弱く、色落ちや劣化の原因になるので、誤って水やりをしないようにしましょう。
逆に乾燥にも弱いです。エアコンなどの風が直接当たってしまうと、花びらがひび割れてしまうことがあります。
現在の仏花として最も種類が豊富に用意されているのが、プリザーブドフラワーではないでしょうか?
プリザーブドフラワーのメリット
- 枯れない
- 水やりが不要のため、メンテナンスに費やす手間や時間が省ける
- 花粉が無いため、アレルギーや仏壇を汚す心配が無い
- 生花では楽しめないようなカラーのお花もお供えすることができる
- 生花に比べて美しさを長期間キープすることができる
- 特殊な加工を経て作られているため、生花のアレンジメントより若干お値段は高めですが、長くお供えできると思えば結果的に経済的
プリザーブドフラワーのデメリット
- 枯れることがないため、仏教そもそもの教えを仏花から学ぶことが出来ない
- 香りがしない
- アレンジメントの花に埃が付いた場合、拭き取ったり洗ったりすることが出来ない(ドームカバーやクリアボックス付きのものを選べば問題なし)
- 手間が掛からない分、一度お供えしたら放置してしまいがち
- 繊細なため自分で仏花を作るのは難易度が高い
- 染料が色移りすることがあるため、木製や布製のものに長く触れないようにする必要がある
3.ハーバリウム
ハーバリウムとは「植物標本」のことを指し、元々学術的に残す資料でした。
最近人気が高まっているハーバリウムとは、標本というよりインテリア性の高いフラワーオブジェという扱いです。
ガラス瓶の中にプリザーブドフラワーやドライフラワーを配置し、ハーバリウム専用の透明なオイルを注ぎ入れて栓をしたものです。瓶の形は角柱タイプや円柱タイプなど様々です。
お花がひときわ明るく、鮮やかに発色しているように見えるのもハーバリウムの特長の一つであり、生花と違ってお手入れの必要が無く、長く美しさを楽しむことができるのは最大の特長といえるでしょう。
寿命は短くても1年、環境に配慮すれば2年以上美しさをキープすることができます。
最近は仏花としてのお供えハーバリウムというものも注目されていて、供養の気持ちを示す穏やかな色合いで作られていたり、瓶の首元に和風なタッセルが提げられていたりして、お仏壇にも浮いてしまうことなく飾ることができます。
また、プリザーブドフラワーのアレンジメントと比べてサイズ感がコンパクトであるため、小さめの仏壇にも気軽にお供えすることができるので、ギフトとしても大変おすすめです。
ハーバリウムのメリット
- 枯れない
- お手入れが不要のため、メンテナンスに費やす手間や時間が省ける
- 花粉が無いため、アレルギーや仏壇を汚す心配が無い
- 他の造花では味わえない、ハーバリウム独特の煌きやお花の透明感や浮遊感を感じられる
- 生花に比べて美しさを長期間楽しむことができる
- インテリア性が高く、オシャレな空間を演出できる
- コンパクトなためギフトとしても気兼ねなく贈ることができる
ハーバリウムのデメリット
- 枯れることがないため、仏教そもそもの教えを仏花から学ぶことが出来ない
- 香りがしない
- 手間が掛からない分、一度お供えしたら放置してしまいがち
- 直射日光に当てると退色が早まる
- 熱源の近くに置くとオイル漏れする可能性がある
- 飛行機に持ち込めない
- ガラス瓶を使用しているため、高いところから落下すると割れてしまう
- 廃棄する際、オイルの処理に若干手間がかかる
4.ソープフラワー
生花を使わずに、石鹸素材で作られたお花のことを言います。
主に花びらの部分だけが石鹸で、その他の茎や葉、ガクの部材は造花のパーツを使用しています。
ボックス入りのアレンジメントタイプやブーケタイプのものなどがあります。
作り物とは思えないクオリティーで、水やりなどのお手入れも不要で、その香りと共に美しいお花を楽しむことができます。
寿命は一般的に、約3ヶ月~半年といわれています。
中には、飾ることに飽きたら花びらを取り外して、石鹸として使えたり、お風呂に入れて泡風呂を楽しめたりするものもあります。
他の造花に比べて比較的安価で、飾るだけでなく実用性も兼ねていることから、ギフトとしての人気が高まっています。
ソープフラワーのメリット
- 枯れない
- お手入れが不要のため、メンテナンスに費やす手間や時間が省ける
- 花粉が無いため、アレルギーや仏壇を汚す心配が無い
- 生花に比べて美しさを長期間楽しむことができる
- インテリア性が高く、オシャレな空間を演出できる
- 見るだけでなく石鹸の香りを芳香剤として楽しむことができる
- 鑑賞に飽きたら石鹸として使うことができるものもある
- 他の造花に比べてリーズナブル
ソープフラワーのデメリット
- 枯れることがないため、仏教そもそもの教えを仏花から学ぶことが出来ない
- 手間が掛からない分、一度お供えしたら放置してしまいがち
- 水気に弱い
- 直射日光に当てるとお花が硬くなって割れやすくなる
- 好みの香りでなかった場合ツライ
これから主流になるのはプリザーブドフラワー仏花
造花のメリットは何といってもお手入れがラクなこと。
生花に比べて長持ちするので金銭面の負担が減りますし、お買い物の頻度を減らすことで感染リスクも避けられます。
造花それぞれの特徴を理解し、仏花として上手に取り入れてみてはいかがでしょう?
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